原潜拠点の閉鎖都市トップ辞任=カムチャツカ地震で「苦情増」―ロシア 2025年08月05日 19時07分

 ロシア極東カムチャツカ地方のソロドフ知事は5日、戦略原子力潜水艦の基地がある閉鎖都市ビリュチンスクで「大地震後に当局に対する住民の苦情件数が急増した」として、ゴロフチャク市長に辞職勧告したと発表した。タス通信によると、ゴロフチャク氏は即座に引責辞任を表明した。
 7月30日にカムチャツカ半島付近を震源とする地震が起きて6日で1週間となるが、自然災害の余波は地元行政も揺るがしている。
 ビリュチンスクは半島の中心都市ペトロパブロフスクカムチャツキーの南西約20キロに位置。軍事施設があることから立ち入りが制限されている。ただ、市内でスーパーの商品が散乱するほど大きな揺れがあったことはSNSを通じてロシア全土に知られ、地震に伴う津波で原潜基地の桟橋が損傷を受けた衛星画像も伝えられた。
 避難生活を強いられる住民もいる中、ゴロフチャク氏は災害対応の不手際を批判されるのを嫌ってSNSのコメント欄を一時閉鎖。現地メディアによれば、地元行政を束ねるソロドフ氏が4日のオンライン会議で「状況を理解していない」と苦言を呈した。 

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