731部隊映画が公開延期に=原因不明、不満の声も―中国 2025年07月31日 14時32分

中国の映画興行アプリ「猫眼専業版」に掲載された映画「731」関連情報
中国の映画興行アプリ「猫眼専業版」に掲載された映画「731」関連情報

 【北京時事】中国で旧日本軍の関東軍防疫給水部(731部隊)を描いた映画「731」の公開が、当初予定されていた31日から延期された。理由や新たな上映時期は不明で、SNS上では不満の声が高まっている。
 731部隊は、戦時中に中国東北部で細菌兵器開発や人体実験を行ったとされる。映画はタイトルの数字にちなんだ7月31日の封切りが予告されていた。公開前から注目を集めており、一部では対日感情の悪化や、残虐なシーンが観客に与える影響を懸念する声も出ていた。
 中国では映画に対する当局の厳しい検閲があり、劇中の描写を巡って調整が続いている可能性がある。中国では先週、旧日本軍による南京事件を題材にした映画「南京写真館」が公開され、ヒットしている。「731」とテーマが似通っているため、興行上の都合から上映時期をずらしたとの見方も出ている。
 習近平政権は今年を「抗日戦勝80周年」と位置付け、9月には北京で記念の軍事パレードを実施予定。愛国心向上のキャンペーンを展開中で、「南京写真館」については「反ファシズム文芸の重要作品」(官製メディア)とたたえている。 

海外経済ニュース