イスラエル首相、赤十字に人質支援要請=ハマスの「痩せ細った男性」映像で 2025年08月04日 14時23分

パレスチナ自治区ガザでとらわれているイスラエル人人質=イスラム組織ハマスが1日公開した映像より(AFP時事)
パレスチナ自治区ガザでとらわれているイスラエル人人質=イスラム組織ハマスが1日公開した映像より(AFP時事)

 【カイロ時事】イスラエルのネタニヤフ首相は3日、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスに拘束されている人質について、赤十字国際委員会(ICRC)に対し「食事や医療の速やかな提供」に協力してほしいと要請した。ハマスが最近、痩せ細った人質の動画を公開したことを受けた措置。AFP通信などが報じた。
 ハマスと、連帯する武装組織「イスラム聖戦」は7月31日から8月2日にかけ、2023年10月のイスラエル奇襲の際に拘束した人質2人の映像3本を公開。この中で、痩せ細った男性がトンネル内とみられる場所で地面を掘り、「自分の墓をつくっている」と語る様子が映っていた。映像が流れるとイスラエルでは早急な人質奪還を求める声が拡大。英独仏など西側諸国からもハマスへの強い批判が巻き起こった。
 ICRCは「とても悲惨な映像にぞっとした」とし、ハマスに人質との接触を認めるよう要求した。これに対し、ハマスの軍事部門「カッサム旅団」は、人質を「故意に飢えさせてはいない」と主張。イスラエルの「犯罪」が続く中、人質が特権的に食事を与えられているわけではないと弁明した。一方で、支援物資運搬のための「人道回廊」をガザ全域に設置することを条件に、ICRCに人質への接触を許可すると表明した。 

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