日本路線、アシアナ統合で拡充=今年の往来過去最高―大韓航空副社長 2025年08月04日 17時49分

インタビューに答える韓国の大韓航空の崔晶皓副社長=7月30日、ソウル(同社提供・時事)
インタビューに答える韓国の大韓航空の崔晶皓副社長=7月30日、ソウル(同社提供・時事)

 【ソウル時事】韓国最大の航空会社、大韓航空の崔晶皓副社長は4日までに時事通信のインタビューに応じた。昨年末に買収が完了した韓国第2位のアシアナ航空との経営統合により、日韓の地方都市を結ぶ路線や運航スケジュールを拡充し、利便性を高めると表明。両国間路線の削減は「全くないと思う」と否定した。
 崔氏によると、大韓航空は現在、日韓間で14都市・21路線を運航しているが、アシアナとのブランド統一後は17都市・24路線に拡大する予定。格安航空会社(LCC)子会社ジンエアー、エアソウルなどを含めると、23都市・33路線と、毎日約110往復する体制となる。
 大韓航空は子会社を含め、韓国と東京、大阪、名古屋、福岡、札幌、青森、新潟、小松(石川県)、鹿児島、長崎、熊本、沖縄など、日本各地を結ぶ路線を展開。崔氏は「今も(日韓)路線の数は航空会社の中で最多。統合でさらに増える」とし、「地方都市への運航は、観光産業に及ぼす効果を通じ、日本の地方経済にも貢献している」と胸を張った。
 日韓関係の改善も背景に、人の往来は増加傾向にある。崔氏によれば、昨年は約1200万人だったが、今年は1300万人を超え、過去最高を更新する見通し。訪韓する日本人が350万人以上、訪日する韓国人が950万人以上に達する見込みだ。
 崔氏は「韓国は国内が狭いが、日本は北から南まで多様な観光資源があり、韓国人にとって非常に魅力的な目的地だ」と強調。「近いため短期間でも旅行できる」とも指摘した。
 また、日本の地方自治体の首長らから、地元空港への就航や便数増加の要望が多く寄せられていると説明。「最近では神戸空港に就航した。市内へのアクセスが良く、西洋文化が早くから入った都市や温泉、食の魅力もある。観光客が街を気に入りリピーターになると思う」と期待を示した。
 

 ◇崔晶皓氏略歴
 64年7月生まれ。ソウルの延世大卒。88年大韓航空入社。福岡支店などに勤務し、13年日本地域本部長、16年同社傘下の格安航空会社(LCC)ジンエアー代表理事。22年から大韓航空副社長を務め、アシアナ航空との統合を主導した。61歳。 

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