中米パナマ大統領にムリノ元外相=運河への対応など課題 2024年05月06日 14時11分
【サンパウロ時事】中米パナマで5日、コルティソ大統領の任期満了に伴う大統領選の投開票が行われ、選管当局は右派野党「目標実現党(RM)」から出馬したマルティネリ元大統領の有罪確定を受けて副大統領候補から繰り上がったホセ・ラウル・ムリノ元外相(64)の勝利を宣告した。元大統領の支持層を取り込んで大統領の座を射止めたムリノ氏は7月に就任する。任期は5年。雇用や汚職の対策をはじめ、干ばつで通航制限を敷くパナマ運河への対応も課題となる。
大統領の連続再選が認められていない選挙には8人が乱立。自ら立ち上げた新党から立候補したマルティネリ氏が好景気をもたらした過去の実績を評価され世論調査でリードしたが、マネーロンダリング(資金洗浄)で有罪が確定。立候補資格が取り消され、ムリノ氏が大統領候補に繰り上がるなど異例の展開をたどった。
ムリノ氏は勝利を受けて「大きな責任感と謙虚さを胸に刻み、引き受ける」と語った。同氏は、南米などから米国を目指す移民の経由地となっている「ダリエン地峡」を封鎖すると表明しており、就任後の対応が注目されている。