粗大ごみ、メルカリで販売=CO2削減へ再利用―自治体 2024年06月15日 05時14分

 家庭から回収した粗大ごみのうち、再利用が可能な家具などをフリーマーケットアプリ「メルカリ」で販売する動きが自治体に広がっている。リサイクルを進めることで、ごみ焼却時に排出される二酸化炭素(CO2)を削減する狙い。希望者への無償譲渡や再資源化に取り組む事例もある。
 兵庫県西宮市は、回収依頼が増加傾向にある粗大ごみの減量に向け、2022年10月からメルカリへの出品を開始。購入者が現品を確認してから引き渡している。
 これまでにソファや衣装ボックスなどを販売し、計57品(計8万2800円)が売れた。市民のリユース意識を高めるのが目的で、美化企画課は「売れるということに気付き、自分でもやってみようと思ってもらえたら」と説明する。
 22年5月に全国で初めてメルカリを使った粗大ごみの販売を始めた愛知県蒲郡市は、23年10~12月、使える資源の選別から発送までの業務をシルバー人材センターに委託する実証実験を行った。
 実験期間の出品数は202品と、前年度の同じ時期(18品)に比べて大幅に増加。高齢者の雇用創出にもつながる「がまごおりモデル」として発信している。
 静岡県袋井市と森町、袋井市森町広域行政組合は、地域情報サイトを運営する「ジモティー」と提携。ごみ処理施設に持ち込まれた粗大ごみで再利用できる家具などをサイトに出品し、希望者に無償で譲渡している。23年度までに計490品が譲渡され、トータルで約2.9トンのごみが削減された。
 東京都品川区は23年5月、焼却処理していた木製粗大ごみの再資源化に乗り出した。金属やガラスなどを取り除いた上で、木質チップに加工。建築資材の原料にしている。
 23年度のリサイクル量は1052トンと、粗大ごみ全体の4分の1に達した。区はプラスチック製衣装ケースなどの再資源化にも着手。担当者は「リサイクルできるものはしていきたい」と話している。 

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