野党・李在明氏がリード維持=保守系一本化不発か―韓国大統領選まで1週間 2025年05月27日 17時27分

【ソウル時事】韓国大統領選(6月3日投開票)まで27日で1週間となった。革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表(60)が政権交代を望む世論を追い風にリードを維持している。保守系与党「国民の力」の金文洙前雇用労働相(73)は保守系野党「改革新党」の李俊錫議員(40)との一本化による追い上げを目指したが、機運は急速にしぼんでいる。
有力紙・中央日報が27日発表した世論調査によると、李在明氏の支持率は49%。金氏が35%、李俊錫氏が11%で続いた。最近の各調査では金氏と李俊錫氏がじりじりと伸びているが、李在明氏の背中はまだ遠い状況だ。
李在明氏は、尹錫悦前大統領の「非常戒厳」宣言に端を発した「内乱への審判」を前面に掲げる。26日の遊説では尹氏を擁護した金氏を「尹氏のアバター(分身)だ」と非難。「内乱勢力の(権力への)復帰を防ぐべきだ」と強調した。政策面では最優先課題として景気回復に取り組むとアピール。日韓協力や日米韓連携を重視する現実主義的な外交路線を訴え、選挙の勝敗を左右する中道層に浸透している。
金氏は李在明氏と対立して共に民主党を離党した元同党代表の李洛淵元首相の支持を取り付けるなど、巻き返しに躍起だ。ただ、強固な一枚岩を誇り、保守派まで陣営に取り込む李在明氏陣営に対し、金氏陣営は与党内の主流派と非主流派の対立が消えず、結束とは程遠い。
29、30両日の期日前投票が迫るが、改革新党の李俊錫氏は27日、自らが辞退する形の一本化を拒否する姿勢を固守。一本化が実現したとしても李在明氏に勝てるか微妙な情勢で、与党トップの金竜泰非常対策委員長は記者団に「一本化の考えがないという改革新党の立場を尊重するしかない」と語った。
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