逮捕状請求に激しく反発=イスラエル・ハマス 2024年05月20日 22時27分

 【カイロ時事】国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)のカーン主任検察官が20日、戦争犯罪の疑いなどでイスラエルのネタニヤフ首相やイスラム組織ハマス指導者らの逮捕状を請求したのを受け、イスラエルとハマス双方が激しく反発した。報道によると、イスラエル当局者は「偽善的で恥ずべき決定だ」と糾弾。ハマス側も「(パレスチナ自治区ガザの)犠牲者と死刑執行人(イスラエル)を同一視している」と非難した。
 イスラエル当局者は、逮捕状請求を予想していたものの「衝撃を受けた」という。戦時内閣メンバーのガンツ前国防相は、X(旧ツイッター)に投稿し、昨年10月にハマスが行った奇襲を理由にイスラエルは「正当な戦争」に乗り出したと指摘。ガザでの戦闘では国際法を順守していると強調し、カーン氏の主張を受け入れることは「歴史的犯罪となる」と訴えた。
 ネタニヤフ氏は対応を協議していると報じられている。カッツ外相は、省内に逮捕状請求に対抗するための専門チーム設置を命じたと発表。ヘルツォグ大統領は、各国首脳が請求を拒否することを望むと表明した。
 一方、ハマスは20日の声明で、ネタニヤフ氏らへの逮捕状請求が遅く、この間にイスラエルがさらに多くの戦争犯罪を行ったと主張。ハマス指導者も対象になっていることについては「パレスチナには占領者(イスラエル)に武力で対抗する権利がある」として、取り下げを求めた。
 イスラエルはICC非加盟で管轄権を認めていない。一方、パレスチナは2015年に加盟した。 

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