支援物資、一部しか届かず=ラファでは配給停止―ガザ 2024年05月22日 09時36分
【カイロ時事】米中央軍は21日、パレスチナ自治区ガザに設置した浮桟橋を通じて、支援物資569トン以上を搬入したと発表した。ただ、ロイター通信は国連の情報として、物資配給のための倉庫には一部しか届いていないと報道。イスラエル軍もガザに物資を搬入したが、トラックが待機状態にあると説明した。
浮桟橋は、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘長期化で人道状況が壊滅的なガザへの支援拡大を目的に米国が設置。17日に運用が始まった。
国連によると、17日はトラック10台がガザ中部の国連世界食糧計画(WFP)の倉庫に到着。しかし、18日は11台が住民に物資を奪われる事態に見舞われ、たどり着いたのは5台のみ。19、20日は物資が届かなかった。米国防総省は別の輸送ルートを設定したという。
イスラエル軍は21日、451台のトラックがガザの検問所を通過したと発表。ただ物資はまだ配給されていないといい、軍は国際支援団体の輸送能力や人材が足りないためだと説明した。
ガザへの物資搬入の主要な経路である南部ラファの検問所も、イスラエル軍の地上作戦に伴い通過できない状況が続いている。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、物資不足と安全確保が困難なためラファでの配給を停止した。