トランプ氏「口止め料」裁判、大詰め=今月中にも評決か―米 2024年05月22日 14時27分

21日、ニューヨークの裁判所で公判に臨むトランプ前米大統領(AFP時事)
21日、ニューヨークの裁判所で公判に臨むトランプ前米大統領(AFP時事)

 【ニューヨーク時事】米大統領経験者が史上初めて「刑事被告人」となったトランプ前大統領による不倫口止め料記録改ざん事件の裁判が、大詰めを迎えた。検察と弁護側双方の証人尋問が21日までに終了。最終弁論は28日に行われ、早ければ今月中にも陪審が有罪か無罪かの評決を下す可能性がある。
 トランプ氏は、2016年大統領選直前に支払った不倫口止め料を隠すため、「弁護士費用」と偽って小切手や帳簿に記載したとして昨年3月、ニューヨーク州法違反で起訴された。
 翌4月の罪状認否では無罪を主張。同氏は不倫自体を否定しており、今年4月15日に公判が始まった後も「政治的迫害だ」と潔白を主張している。
 これに対し、検察は冒頭陳述で「大統領選に勝つためにネガティブな情報を隠した」と追及。不倫相手のポルノ女優ストーミー・ダニエルズさんら計20人の証人を法廷に呼び、立証に努めた。
 その中で検察が最も重視したのがトランプ氏の元腹心マイケル・コーエン元顧問弁護士だった。コーエン氏は4日間にわたってトランプ氏の関与を証言。選挙前に不倫が明るみに出るのを警戒したトランプ氏に「いいからやれ」と命令され、13万ドル(約2000万円)をダニエルズさんに立て替え払いしたと詳述した。
 一方、弁護側はコーエン氏が過去に別の事件で偽証し有罪となっていると強調。反対尋問では、コーエン氏が口止め料についてトランプ氏と話したと主張した96秒間の通話について、事前に全く違う内容のテキストメッセージを送っていたと指摘し「うそだ」と迫るなど、証言の信用性に疑義を呈する戦略を取った。
 市民12人で構成する陪審は全会一致で結論を出す必要がある。陪審の間で意見が決裂すると審理無効となり、裁判はやり直しとなる。CNNテレビは、弁護側の戦略が陪審に「疑念を生じさせたはずだ」とする専門家の意見を伝えた。 

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