習主席がロケット軍視察=戦力向上指示、米台けん制か―中国 2024年10月21日 14時18分

中国軍の弾道ミサイル「東風26」=2015年9月、北京(AFP時事)
中国軍の弾道ミサイル「東風26」=2015年9月、北京(AFP時事)

 【香港時事】中国の習近平国家主席は17日、核ミサイルを扱うロケット軍の拠点を視察し、「戦略的抑止力と実戦能力」を向上させるよう指示した。国営新華社通信が21日までに伝えた。新華社は視察先に触れていないが、習氏は17、18両日に安徽省を訪問しており、同省にある拠点とみられる。
 中国軍は14日、台湾本島を包囲する形で大規模な演習を実施。演習3日後のロケット軍視察には、台湾侵攻の際に米空母が台湾に接近することなどをけん制する狙いがありそうだ。
 習氏は視察で「危機や戦争への意識を高め、訓練と戦争への準備を全面的に強化し、国の核心的利益を守る必要がある」と強調した。中国は台湾を「核心的利益の中の核心」と位置付けている。
 香港紙・星島日報(電子版)などによると、習氏が視察したのは、台湾海峡を含む中国南東部を管轄する安徽省のロケット軍第61基地の可能性がある。ロケット軍での汚職疑惑が昨年に発覚して以降、習氏の同軍視察は初めてという。
 専門家は習氏の視察について、ロケット軍での汚職に関する調査が一段落したことを意味すると分析。同基地には、主に空母を標的とする対艦弾道ミサイル「東風21」などが配備されていると指摘した。新華社が公開した写真を見ると、「東風26」が配備されている可能性もあるという。
 星島日報などによれば、東風26は核弾頭を搭載可能で、飛行の最終段階で自動的に目標物を捉えるため、航行中の空母も正確に攻撃できる。射程は5000キロで、西太平洋上の米軍艦艇やグアムの基地にとって脅威になるとされる。 

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