反核・平和へ連帯強化を=アイルランド議会で演説―広島市長 2024年10月24日 05時44分

 【ロンドン時事】広島市の松井一実市長が23日、アイルランドの首都ダブリンを訪れ、議会上院で演説を行った。松井氏は今年のノーベル平和賞に日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が選ばれたことに触れ、「今こそ平和を求める市民の声を集約し、市民レベルの平和への連帯を強化することが求められている」と訴えた。
 英語での演説では、大国間の緊張の高まりを受けて核の脅威が増大しているとし、「世界が再び核軍拡に向かう」事態を警告。原爆投下による惨状を伝え、国境を超えて核廃絶に取り組む必要性を訴えた。
 また、8歳で被爆した体験を伝えるために世界中で講演を続ける女性の「1発の核兵器が使われたら人類は滅亡に向かう。世界に警鐘を鳴らすことが、今を生きる私にできること」との言葉も紹介。こうした被爆者の献身的な活動が平和賞受賞につながったと語った。
 松井氏は世界166カ国・地域の8400都市以上で構成される平和首長会議の会長を務める。核兵器禁止条約を推進するアイルランドの議会から招かれ、英マンチェスターで28~29日に開かれる同会議理事会に合わせてダブリンを訪問した。 

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