米情報長官、異例の核廃絶訴え=広島・長崎触れ「狂気に終止符を」 2025年06月10日 23時05分

ギャバード米国家情報長官=3月25日、ワシントン(EPA時事)
ギャバード米国家情報長官=3月25日、ワシントン(EPA時事)

 【ワシントン時事】ギャバード米国家情報長官は10日、広島や長崎における原爆の被害を取り上げ、核廃絶の必要を訴える動画をX(旧ツイッター)に投稿した。核保有国間の緊張はかつてなく高まっているとし、「狂気に終止符を打つ必要がある」と語った。原爆投下を正当化してきた核大国の米国で、現役閣僚が核兵器への反対を公に表明するのは極めて異例だ。
 約3分半の動画で、ギャバード氏は「最近、広島を訪れた」と言及。米軍による1945年の原爆投下で廃虚となった広島の市街や、苦しむ被爆者の姿を映し出した。「長崎も同じ運命をたどった」とし、「悲しみを表現する言葉を見つけるのが難しい。一生忘れられない経験だ」と情感を込めて訴えた。
 また、今日の核兵器の威力は当時とは比較にならないとも指摘。「生態系全体が壊滅する。これはSFではなく現実だ」と強調した。いざという時は核シェルターに避難が可能な「政治エリートたち」が「核保有国間の恐怖と緊張を軽々しくあおっている」と主張した上で、「核の恐怖におびえることのない世界を目指さなければならない」と述べた。 

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