イスラエル、イラン攻撃=核関連施設対象、非常事態を宣言―精鋭部隊司令官死亡と報道 2025年06月13日 09時35分

【カイロ、イスタンブール時事】イスラエル軍は13日未明(日本時間同日朝)、イラン中部ナタンズのウラン濃縮施設や各地の軍関連施設を標的に攻撃を加えた。ネタニヤフ首相が発表した。イランのメディアによれば、首都テヘランなどで複数の爆発音が聞こえ、イラン軍トップのバゲリ参謀総長や精鋭軍事組織「革命防衛隊」トップのサラミ司令官が死亡。国会議員や大学教授、民間人らも多数殺害された。
イスラエルによる対イラン攻撃は昨年10月以来で、トランプ米政権発足後は初めて。中東情勢は一気に緊迫化した。
米国はイランの核兵器保有阻止に向けて同国との核協議を優先。イランと激しく対立するイスラエルに自制を求めてきたが、ネタニヤフ氏はイランが核開発をかつてないほど前進させたとして「イスラエルの存続にとって明確で差し迫った脅威だ」と主張し、攻撃を正当化した。イランの最高指導者ハメネイ師は「(イスラエルは)厳しい処罰を覚悟せねばならない」と報復を明言した。
イスラエル軍は、空軍機数十機が参加した攻撃の第1段階が完了したと発表。カッツ国防相は、イランからの反撃が差し迫っているとして全土に非常事態を宣言した。
トランプ大統領は12日、ホワイトハウスで記者団に対し、イスラエルが対イラン攻撃に踏み切る可能性があると警告していた。ただ、イランとの核合意が近づいているとも指摘。「攻撃は望まない。衝突回避を望む」と述べ、イスラエルに自制するよう要求していた。米メディアによると、トランプ氏は攻撃後、イランとの核協議継続を望むと語った。
事前にイスラエルが米側に攻撃を通知したとの情報があるが、ルビオ米国務長官は「イスラエルが単独行動を取った。米国は攻撃に関与していない」と表明。米軍基地などを報復の対象にしないようイランに警告した。ホワイトハウスは国家安全保障会議(NSC)を開催すると明らかにした。
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