暫定首相候補に元最高裁長官ら=囚人1万3000人超脱走―ネパール 2025年09月11日 06時50分

【ニューデリー時事】ネパールでSNS規制を発端とした大規模デモによってオリ首相が辞任したことを受け、デモの中核を担った若者側は10日、暫定政権発足に向け軍と協議した。カルキ元最高裁長官を暫定首相に推薦する声が強かったものの、首都カトマンズのシャハ市長を推すグループもあり、軍は候補者の集約と再度の協議を求めた。
73歳のカルキ氏は2016年に女性として初めて最高裁長官に就いた。インドメディアのインタビューで「国益のために働く」用意があると述べ、就任要請を受け入れる意向を示した。35歳のシャハ氏は22年に無所属候補として市長に初当選。ラッパーとしての経歴を持ち、若者の人気は高い。
10日は軍が警備のため主要都市に展開。市街地からデモ隊は排除され、カトマンズの国際空港は運航を再開した。しかし、警察は8日に始まった抗議行動で暴徒が各地の刑務所を襲撃し、1万3500人超の収容者が脱走したと発表。治安のさらなる悪化が懸念されている。