〔NY石油〕WTI3日続落、66.29ドル(4日) 2025年08月05日 05時16分

 【ニューヨーク時事】週明け4日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、有力産油国による増産方針決定や低調な米雇用統計を背景に、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月9月物の清算値(終値に相当)は、前週末比1.04ドル(1.54%)安の1バレル=66.29ドル。10月物は0.90ドル安の65.30ドル
 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」の有志8カ国は3日、9月の生産方針について、日量54万7000バレルの増産を決定した。増産は6カ月連続。今回の増産決定により、8カ国が実施してきた日量250万バレルの自主減産は解消され、生産拡大に転じる。9月7日に行われる次回の会合で追加の165万バレルの減産解消に向け議論が行われる可能性があることも、原油価格の下押し圧力となった。
 米労働省が前週末発表した7月の雇用統計は、非農業部門就業者数の増加幅が市場予想を下回ったほか、5月と6月の就業者数の伸びが大幅に下方修正され、労働市場の急激な悪化が鮮明となった。この結果を受け、景気減速とエネルギー需要の鈍化懸念が強まり、相場を下押した。
 トランプ米大統領は4日、自身のSNSに、ロシア産石油を購入しているインドに対し大幅に関税を引き上げると投稿。トランプ氏はまた、ウクライナに侵攻するロシアに対し、停戦に応じなければ同国の貿易相手に100%の「2次関税」を課す考えを示していることから、ロシア産石油を巡る供給不安が意識され、買い戻しが入る場面もあった。
 欧州連合(EU)は4日、米国との貿易協議での合意を受け、7日に発動予定だった対米報復関税措置を6カ月間停止する方針を明らかにした。報復関税は、米国による鉄鋼・アルミニウム関税措置と相互関税および自動車関税への対抗措置の2種類。トランプ氏は先週、大半のEU製品に15%の関税を課す大統領令に署名したが、自動車・同部品の例外措置は含まれておらず、蒸留酒などの関税率も未明。
 ▽ガソリン=続落。中心限月9月物の清算値は1.64セント安の1ガロン=210.22セント。
 ▽ヒーティングオイル=反発。9月物の清算値は1.77セント高の1ガロン=231.76セント。

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