個人金融「グループ力生かす」=デジタル銀、既存口座と一体に―亀沢三菱UFJ社長 2025年08月05日 00時07分

三菱UFJフィナンシャル・グループの亀沢宏規社長はこのほどインタビューに応じた。6月に立ち上げた個人向けデジタル金融サービスの新ブランド「エムット」について、「今までばらばらだったサービスをすべてつなぎ、グループ力を生かす」と強調。来年度後半に設立するデジタルバンクをエムットの中核と位置付け、既存のオンライン口座との一体運用を目指す考えも表明した。
エムットでは、銀行やクレジットカード、証券、信託といったグループのサービスを一元化。ポイントも来年度に共通化する。亀沢氏は「その上で金融以外のさまざまなサービスをつなげて取り込んでいきたい」と語った。
デジタルバンクは米グーグルのクラウド技術を活用。金利優遇や運用提案などの新サービスを機動的に展開できる「スピードと自由度」を利点に挙げた。既存口座と「一体にする」と説明。給与振込口座を変更しなくてもデジタルバンクの機能を利用できるようにする方針だという。
全国に300超ある銀行店舗のうち、4分の1から3分の1程度を、数年かけて個人専門店「エムットスクエア」に再編する方向で検討することも明らかにした。
個人向けデジタル金融では、メガバンクや決済大手の提携などで顧客囲い込み競争が激化している。しかし、亀沢氏は「強い者同士ではカニバリゼーション(事業の共食い)が起きる」と指摘。これに対し、三菱UFJはグループ内で主要な金融機能を保持しているため「マネタイズ(収益化)のポイントがすべて中にある」と収益確保に自信を示した。
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