7月26日にリコール投票=野党24人対象、少数与党の解消焦点―台湾 2025年06月20日 19時38分

20日、台北市で、台湾の国民党立法委員(国会議員)のリコール(解職請求)投票に向け、「罷免同意」を求める看板と罷免への不同意を訴える横断幕が同時に掲げられたビル
20日、台北市で、台湾の国民党立法委員(国会議員)のリコール(解職請求)投票に向け、「罷免同意」を求める看板と罷免への不同意を訴える横断幕が同時に掲げられたビル

 【台北時事】台湾の中央選管当局は20日、最大野党・国民党の立法委員(国会議員)24人を対象としたリコール(解職請求)投票を7月26日に行うと発表した。立法院(国会に相当、定数113)で少数派の与党・民進党は、リコールが成立した選挙区の補選で6議席を奪えば過半数に届き、頼清徳総統はスムーズな政権運営が可能となる。
 立法院の議席は現在、民進党51、国民党52で、いずれも過半数の57に届かない。対中融和的な国民党は、8議席を持つ第2野党・民衆党と組み、防衛費を含む今年の予算を大幅に削減・凍結。こうした議会運営が「中国を利する」と反発する民進党系の市民団体などが、リコール投票に必要な署名を選管に順次提出していた。
 リコール投票実施には、それぞれの選挙区で有権者の10%以上の署名が必要。投票で賛成が反対を上回り、かつ賛成が有権者の4分の1以上なら立法委員は失職する。
 台湾でこれほど大規模なリコール投票は異例。国民党も民進党立法委員のリコールを目指すが、各地で署名偽造の疑いが表面化し、検察が捜査している。 

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