クアッドの結束強調=米と関税対立も「価値共有」―駐日インド大使 2025年08月13日 14時38分

インタビューに応じるジョージ駐日インド大使=1日、東京都千代田区
インタビューに応じるジョージ駐日インド大使=1日、東京都千代田区

 インドのジョージ駐日大使は、15日の同国独立記念日を前に時事通信のインタビューに応じ、中国けん制を念頭に置いた日米オーストラリアとの連携枠組み「クアッド」の結束を強調した。トランプ米政権がロシア産原油輸入を続けるインドに高関税を課す方針を決め、両国関係悪化が懸念されるが、民主主義や法の支配といった価値観など「共通要素が4カ国を結び付けている」と語った。
 インタビューは1日、東京都内で行った。ジョージ氏は、4カ国内でも「意見の相違はある」と述べ、対米報復関税などの方針は「インド国民の要求に基づき決定する」と主張した。一方、「今年に入り2度、日米豪印の外相会合が実施された。クアッドは著しい進展を見せている」として、今年ニューデリーで実施予定の首脳会合にも期待を示した。
 日印両国は2025年、科学技術交流年を迎えた。ジョージ氏は「宇宙技術協力や半導体、人工知能(AI)など、両国が世界の利益のために協力できる分野は多い」と強調。「研究機関や研究者の継続的な交流」を目指し、日印双方の留学生を増やす必要性に言及した。
 また、日本企業約1500社がインドに進出しているが、中小企業が少ないと指摘。既に自ら全都道府県を訪れ、企業関係者らと交流を深めてきたといい、今後も進出企業の「成功談」を伝えていきたいと話した。 

海外経済ニュース